2019年の夏にズヴォレから加入したオランダU-21代表DFセップ・ファン・デン・ベルフ。恵まれた長身に加えて、足元の技術も確かな現代的ディフェンダーだが、イングランド・サッカーやイギリス生活に慣れずに、リバプールで存在感を示すことができなかった。
そんなキャリアを変えるべく、プレストン・ノースエンドFCへのレンタル移籍はまさに転機となった。最初のレンタルは2021年2月。半年間の期間をチャンピオンシップで戦い抜き、2021年の夏には、そのローン期間をさらに1シーズン伸ばし、今季もプレストン・ノースエンドでプレーしている。
プレストンではしっかりと出番を得ており、本職のセンターバックや慣れない右サイドバック、ときには右ウイングバックとしてもチームのためにプレーし、ここまで59試合に出場を果たしている。現時点では15位とチーム成績は上がらないものの、個人レベルでは着実に成長を遂げている。
残り数ヶ月となったレンタル移籍だが、来シーズンにおける同選手の去就がにわかに動き始めた。『The Mirror』によれば、プレストン・ノースエンドFCは3度目となるレンタル移籍合意に近づいており、来季もチャンピオンシップに留まる可能性が高まっている。
プレシーズンではリバプールでも出番を得られるものの、首脳陣を納得させるほどの印象は残せていない。リース・ウィリアムズやビリー・クメティオら若きセンターバックがしのぎを削っており、主力センターバックは4人で固定されているため、来季もリバプールでの出場は限定的にならざるを得ない。
プレストン・ノースエンドを率いるライアン・ロウ監督は、再々レンタルについて選手の意向やリバプールがディフェンダーの成長をどう捉えているかによると前提を置いた上で、リバプールとは話し合いを設けており、レンタルが可能になればすぐにでも動く意思を示している。
「リバプールとは交渉中だが、選手がどうしたいかによるね。彼は適切で腰を落ち着けられる場所を見つけたいと考えているだろう。もし彼が来季リバプールに戻り、レンタル移籍を希望するならば、我々は良いポジションにつけると思う。」
「(セップ・)ファン・デン・ベルフについて、先日リバプールは丸一日ここにいて、僕らが何をし、どうやるかを見ていたんだ。」
「もう一度言うが、リバプールとは連絡を取り合っており、やはり選手がどうしたいのかによるだろう。彼らが僕らと一緒にいてくれたおかげで、もし彼らがふたたびレンタルに出すならば、すぐにでも獲得を目指すよ。」
「他のクラブもそうだろうが、彼らが以前ここに来たことがあり、私たちがどのようにビジネスを進めているかがわかっている利点があると思う。もし、レンタル移籍ができるようになったら、僕らが最優先になれるはずさ。」
はたして、セップ・ファン・デン・ベルフは来季どのクラブでプレーしているのだろうか…?