昨シーズンは4冠を狙い最後まで戦い続けたリバプール。今季もプレミアリーグ優勝ならびにチャンピオンズリーグ決勝を期待されたものの、蓋を開けてみるとフラム戦で苦戦。続くクリスタル・パレス戦でも調子は上がらず、マンチェスター・ユナイテッド戦でもいつもの姿ではなかった。
ボーンマスやニューカッスルでは勝利こそ収めたが、マージーサイドダービーでも相手を圧倒できず、チャンピオンズリーグ開幕節ナポリ戦ではアウェイの地で成す術なく4失点で完敗。リバプールは痛烈な批判に晒され、負傷者の復活だけではなく、チームの立て直しが求められた。
アヤックス戦ではアンフィールドの大歓声を後ろ盾に勝利を手に入れたが、まだまだ本来の姿に戻りきれない。中でも、トレント・アレクサンダー=アーノルドはクロスの精度が本調子まで戻らず、守備時の活力や対応のまずさを指摘され、対戦相手にも狙われ続けている。
かつてリバプールで活躍し、その後はフラムなどでプレミアリーグで数多くの試合に出場した元イングランド代表MFダニー・マーフィーは同国代表DFのパフォーマンスを批判。カタールW杯に向けた代表選考についても、漏れる可能性を示唆している。
「トレント・アレクサンダー=アーノルドはマンチェスター・ユナイテッド戦とナポリ戦でいつもの高い水準を下回り、ワールドカップのメンバーに選ばれるには難しい状況に直面している。」
「彼が学ばなければならない守備のレッスンがあり、リバプールのコーチやスタッフ、チームメイトが彼を助けるはず。」
「トーナメントサッカーでは、トレントのようにディフェンスを崩すことができる選手が必要だ。しかし、彼が改善しなければならないこともある。」
「最高の選手は適切なタイミングで良い決断を下すもの。だが、ジョーダン・ヘンダーソンが負傷した場合、トレントが前に出たときに守備面をカバーしてくれる存在を失い、孤立したように見えてしまう。」
「彼は来月24歳になり、試合に適応するには十分な経験を持っているはずだ。ナポリ戦では、ジョー・ゴメス、フィルジル・ファン・ダイク、ファビーニョといった周囲の選手も調子を崩しており、助けにはならなかった。」
Daily Mail
アヤックス戦では攻撃面では目立った活躍を見せ、強烈なミドルシュートでゴールに迫った。しかし、失点の場面では簡単に裏を突かれ、全てが彼の責任ではないが、同点弾のキッカケを作ってしまった。
イングランド代表で右サイドバックのポジションを争うカイル・ウォーカーやキーラン・トリッピアー、リース・ジェイムズらに比べるとディフェンス面での軽さは長年指摘されてきたが、抜群のオフェンス能力で周りを黙らせてきたが、その攻撃性がうまく機能していない現状を考えると、よりバランスに優れたディフェンダーに気持ちが傾いてもおかしくはない。
現時点でトレント・アレクサンダー=アーノルドがイングランド代表から漏れる可能性は低いだろう。それでも、このままプレーぶりが改善しなければ、その立場はさらに危うくなりそうだ…